I LOVE YOU が言えなくて
数日後に、

「琴音ちゃん、どこがいい?」

そう言って、美香が棒のいくつか書かれた紙を、私の前に差し出してきた。


「それ、何?」

「これねー、あみだくじ」

「あみだくじ??」


あみだくじなんてして、一体何になるんだろう?

そう思いつつも、理由を聞かずに選んでしまった私。


「分かった、ここだね?じゃぁ…美香はここ!」


何のあみだくじか、聞くべきだった。

知ってたら、もう少し慎重に選んでいたハズだったのに――。


「あ!琴音ちゃんは深沢だねー。美香は笠野だぁ;」

「何が!?」

「忘れたの?告白するって言ったじゃん!」


あぁー、言ったよ。全然忘れてないよっ!

それに、まさに今。教室で風雅と亜矢が冷やかされてる最中だし。


いや、でも。まさか―――。


「もしかして、その相手に告白するってこと!?」

「うん、そうだよ」

「あ、あっさり言わないでよ」

「ははっ、まぁ。頑張ろうね!」


という事でどんどんリアリティーが増してきた告白。

嫌な気もしたけど、その反面。楽しくて仕方なかったんだ。

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