ボスを継いだ少女
「よう」



「あなたは同じクラスの『伊藤マサ』君よね」



「そうだよ。君は『辻本アカネ』さんだよね」



「そうよ」



「俺のことは『マサ』でいいから、これからも気軽に話してくれ」



「そう、それなら私も名前で呼んでね」



「ああ、わかった。ところでミコトと話してたけど…」



「学校サボろうとしてたから」



「気になるのか」



「違うわよ。ただ席が隣なだけよ」



「そうか。まあ、ミコトと友達になってくれ。ミコトも色々と大変なんだ」



「どうして…」



「あいつ、才能が開花してなくて、困っているんだ」



「それで能力検査の授業を受けずに帰ったの」



「そうだよ」



「このままだとあいつ学校も来なくなるだろうな」



「どうして」



「中学の頃は周りに数名、無能力者がいたけど、今回はクラスの中で一人だからな」











「どうして知っているの」











「秘密」








「そう。わかった」



「ありがとう。それとこのことは誰にも話しちゃダメだそ」



「わかってるわよ」




『伊藤マサ』は別の教室らしくどこかに行ってしまった。








彼に話されたことはありがたかった。



監視するためにこの学校に来たのに監視対象が学校に来なくなるとここに来た意味が無いからだ。









翌日から私は『神山ミコト』と話した。







話していてわかったことが一つだけあった。











何も興味を持っていないことだった。
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