ボスを継いだ少女
男は倒れた。



さらにもう一本男の足にナイフを投げた。


男の足に刺さった。






男は立ちあがることもできない。







目を見ると勝ちたいという意識だけが伝わった。







私は腰に入れた銃を取り出し男の顔に銃口を向けた。








「なぜだ。なぜ当たらなかったんだ」




「私の能力は『間接系』の『感覚』能力です」




「感覚…」




「人の感じる『時間』の『感覚』は人それぞれによって感じ方が違います。
早いスピードで走行すると稀にスローモーションのように感じることがあるそうです。
私は自分でそれをコントロールできるのです」





「つまり、俺がスローモーションのように見えると言うことか」


「そういうことになります」


「そうか」


「それから、もう一つ私の能力は相手の感覚も制御できます」


「…」




「私が作った粒子を相手に取り込ませることで相手の『時間』の『感覚』も制御できます」





「俺にはそんなもの感じなかったが…」








「使う必要が無かったからです」







「…」









「私が使用している武器には全て『キャンセラー』が付いています。
あなたに刺さっているナイフにも装備させており、刺さった状態であればどんな能力も使用できないようになります」






「だから、能力が使えないのか」







「私は戦う前に言いました。
『命の保証はありませんが宜しいでしょうか』と…」






「俺を殺すというのか」


「…」


「十七の小娘が俺を殺せると言うのか」














バンッ…












私は引き金を引いた。
< 4 / 102 >

この作品をシェア

pagetop