ボスを継いだ少女
「そうだ。
この世界は間違いが多すぎる。
何もしなくても『才能』さえあれば暮らしていける。
そんな世界にいつまでも伝えても意味が無い。
人は誰だって楽を望むからな」









「…」








「だから、この国から始めるんだ。『Cの世界』を…」







「『Cの世界』…」









「この国から『才能』以外のことで発展させ、やがて世界のトップに立たせる」









「そんなこと…。それは幻想よ」








「いいや、幻想なんかじゃない。
人は行動して初めて知ることができるんだ」






「知ること…」








「『C』で活動した理由は色々あるが、始める前は不安があったんだ。
俺にも…。だが、活動をしてわかったことがあった。
『C』でならやれる」









「でも…」










「大丈夫だ。俺を信じろ。
俺には『超越者の神山ミコト』、『『W』六代目総長の辻本アカネ』、『天才の白崎ナナミ』、『観察者の山本タクヤ』がいるんだから」








「…」








「俺には分かるんだ。俺たち五人が力を出せば、世界を変えられる」









「マサ…」










「アカネ、前を見ろよ。
目的地に着いたぞ」








「エッ…」










そこは代表の住む屋敷だった。










けど、代表はもういないだろう。











きっと逃げたはずだ。
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