教えてよ! マイちゃん先生!!
私、先生になります!
携帯電話片手にずーっとマイは待っていた。

「そう・・・

やっとここまで来たんだもん。


私が今欲しいのはあなただけ・・。


「内定通知」だ!!」



「姉ちゃんさー、いい加減諦めたら?
受かってたら即効かかってくるもんだって。
ネットにも受かった人みんな昨日電話きたっていってんだろ?」

弟の巧(たくみ)が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになったマイの顔をみかねて拭いてやった。

「でも~(ぐしっ)、万が一かけわすれてたってことも(ひっく)あるかもれしょ??」

テーブルにじかに頬をつけて泣いているので、長いストレートの髪にまで涙と鼻水は浸透していた。

巧はマイを起こして、濡らしたタオルで髪も優しく拭った。
本当によく出来た弟だ。

「だいたい○○商社って短卒とらないので有名じゃん!最終面接までいけただけ凄いって。」

ぽんぽんっと優しくマイの頭をたたく。

巧はマイの3個下の高校生だが、昔から小柄でおてんばで自由人の姉の面倒を見てきたからか、とても学生とは思えないしっかりとした将来設計をもち、落ち着いた目を持つ少年だった。

「たくみ~」

マイの涙と鼻水は飛び込んだ巧の腕の中までに浸透した。

(ふぅ~~)

と心の中でため息をつきつつも、腕の中のマイの頭に顎を軽くのせて、それから計2時間あまり、泣きじゃくる姉をなだめる巧だった・・
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