50代のビキニ
白い月と鳥取砂丘
夜にはまだ早いね。

白くぼやけた半月をボーっと眺めていたら

青い時の

独特の孤独や

わけの分からない感
情が
蘇ってきた。

純粋で傷つきやすい
柔らかな魂。

純粋にちょっとしたことが嬉しかったり、おかしかったり。


分けの分からない怒りで心が三角になったり、菱形になったり。


そしたら、何の脈絡もないのに鳥取砂丘のデートを思い出した。

彼との最初のデート。

「鳥取砂丘に行かない?」と誘われて

「いいよ!」って簡単にOKした。


時は真夏。

砂丘は当然暑い。

砂丘というからには、えんえんと砂、砂、砂。

砂の丘を登ったら海が見える。

だけど、燃えるように熱い砂。

熱い砂を2人で歩く



君はいいよ。スニーカー。

私、サンダル。

裸足で歩くには熱すぎ。

サンダルで歩いても砂の中にのめり込んで熱い。

裸足同然。

なのに、


彼は
気づかない。
有頂天で楽しそう。

私は熱いのを必死にこらえて、彼の嬉しそうな話を聞く。

熱い

熱い

足が熱いんだってばー。

どうしてそれが分からないの?

面と向かって文句がいえない優しい私。


熱い 熱い 火傷しそう。


彼は段々、テンション上がる。

私、段々下がる。

聞いてるのがやっと。


忍耐、ひたすらに忍耐。

夏の暑い最中に、砂
丘に誘うな!!


頭の中は怒りの渦が頂点に!

だけど微笑んで嬉しそうにしている私。

ますます喜ぶ彼。


あー! あー!

もう、もうー、モウー

イヤー!

牛になりたくないよー!


男性諸君!
デートは季節を考えて、女性が喜ぶ所をえらびましょう!!
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