50代のビキニ
右腕は上げられません
高校を卒業して春休み。
ほとんどの人が教習所に行く。
田舎なので車がないと、とても不便。
バス停に行くまでも時間がかかる。
その上、バスの本数も少ないときてる。
一人に一台って言うくらいだ。
初日、当然同じクラスの人に会う。
しかも、好きな男の子にも。
何を着て行こう。散々迷う。
行く時間が迫る。
姉のお下がりのレモン色のセーターを着て行くことにした。
だけど、大変なことに気づいた。
右の脇の所に十円玉くらいの穴が開いていたのだ。 虫食いかな?
でも、もう着替える時間がない。
わざわざ右腕を上げることもないだろう。
そのまま行った。
ところが、どういう訳か皆でラジオ体操をさせられた。
好きな彼と目が合った。
恥ずかしい、けど嬉しい。 にっと笑った。
そ、そんな場合じゃない!
それは突然やって来た。
両腕を上げる体操があったのだ。
ど、どうしょう!?
セーターの脇の穴がバレちゃう!!
当然、左腕は真っ直ぐ上げたが、右腕は穴をカバーする為に不自然な格好。 少ししか上げられない。
教官が目ざとく発見する。
指差す。
「そこの人! 右腕、どうしたの? そこまでしか上げられないの?」
皆が一斉に私を見た。
彼も見ているだろう。
「いえ。」
小さな声で答える私。
観念して両腕を真っ直ぐ上げた。
誰も穴には気づかなかったみたいだけど、恥ずかしかった。
顔が見るみる赤くなっていくのが分かった。
赤い顔
黄色いセーター
青いGパン
まるで信号みたい。
可愛そうな私であった。
ほとんどの人が教習所に行く。
田舎なので車がないと、とても不便。
バス停に行くまでも時間がかかる。
その上、バスの本数も少ないときてる。
一人に一台って言うくらいだ。
初日、当然同じクラスの人に会う。
しかも、好きな男の子にも。
何を着て行こう。散々迷う。
行く時間が迫る。
姉のお下がりのレモン色のセーターを着て行くことにした。
だけど、大変なことに気づいた。
右の脇の所に十円玉くらいの穴が開いていたのだ。 虫食いかな?
でも、もう着替える時間がない。
わざわざ右腕を上げることもないだろう。
そのまま行った。
ところが、どういう訳か皆でラジオ体操をさせられた。
好きな彼と目が合った。
恥ずかしい、けど嬉しい。 にっと笑った。
そ、そんな場合じゃない!
それは突然やって来た。
両腕を上げる体操があったのだ。
ど、どうしょう!?
セーターの脇の穴がバレちゃう!!
当然、左腕は真っ直ぐ上げたが、右腕は穴をカバーする為に不自然な格好。 少ししか上げられない。
教官が目ざとく発見する。
指差す。
「そこの人! 右腕、どうしたの? そこまでしか上げられないの?」
皆が一斉に私を見た。
彼も見ているだろう。
「いえ。」
小さな声で答える私。
観念して両腕を真っ直ぐ上げた。
誰も穴には気づかなかったみたいだけど、恥ずかしかった。
顔が見るみる赤くなっていくのが分かった。
赤い顔
黄色いセーター
青いGパン
まるで信号みたい。
可愛そうな私であった。