50代のビキニ
ストーブが燃えている
雪の降る寒い日だった。

私は玄関を入った所の子供部屋で勉強をしていた。


オートバイの音。

あっ、親戚の学(まなぶ)ちゃんだ。

母と喋っている声が聞こえる。


まなぶちゃんが子供部屋の戸を開けて覗いた。

ニカッと人懐っこい笑顔。


前後にどんな会話をしたのか全く覚えていない。

ただ、「さすが、受験生!ストーブが燃焼しているだって。燃えているじゃないんだ」
と母に話している声が…






冬になると自然に
こころのドアを開けてやって来る。

あの日の
2、3日後に
彼の訃報を聞いた。
私は中学3年。

彼は大学生だった。

山が好きで…


雪山に消えちゃったのかな?
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