青春の風
「いいけど、部活動ができないなら、その分特典もなくなるよ?」
アッサリと言われて、もうなにも返せない奈美ちゃん。
いや、私も一緒だけど……。
あの素敵時間を捨てるのは惜しいから。
「私、土曜もしかしたら行けないかも……」
「え? そんなぁ」
咲良先輩の言葉に、琥太郎先輩が残念そうな声を出す。
「まあ、用事があるなら仕方ないな」
アッサリと欠席を認める青空先輩。
はあ?
さっき特典で私たち脅されたよね?
そしてまたもや、一瞬傷ついた顔をした咲良先輩。
そんなことにはまったくお構いなしの、青空先輩。
「土曜までに各自、行きたいところを考えておくようにっ!」