青春の風
「ふーん、で? 植物園って?」
咲良先輩の事情には興味がないらしい、予想外に冷たい男が軽く聞く。
「うん、それなら遠足らしいし、爽やかで青春ぽくない?」
「まあ、そう言われてみれば……。よしっ! じゃあ植物園にしよう」
どうやらその案を受け入れた青空先輩が、椅子の上に立ちあがる。
いやいや、ホントそれいいからっ!
もはや誰も視線すら合わせず、余所を向いたまま。
「青春部・春の遠足は植物園に決定だっ! 今日は帰って各自土曜の遠足に備えて、体調管理を充分にするようにっ!」
あんただからね……。
意外に軟弱なのは、あんただけだよ?