青春の風
 
「出てくるよ、頑張って」



そう言って私の肩を軽く叩く女子が、廊下を歩いて行く。



頑張る?



よくわからない言葉に首を傾げていると、教室内からゆっくりと出てきた男子が扉前で立ち止まる。



私はその男子を見てまさに唖然としてしまった。



冷たそうな顔、滑るような肌、黒い髪、その髪と同じくらい濃い瞳の色。



かっこいい……。



なにこの人。



唖然としている私は完全に見惚れていた。
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