青春の風
 
「言わねえなら、もういい?」



そう言って教室内に視線を向けるかっこいい男子。



何を言うの?



「あの、遠藤さんを待ってるんですけど」



なにか勘違いでもされているのかと思う私がそう言うと、男子が面倒そうに溜息をついた。



「俺が遠藤だ」



えっー!


驚いた。


まさに驚いた。



「え? 遠藤樹さん?」



驚きついでに確認すると、頷くのは目の前に立つ見たこともないほどかっこいい男子。
< 15 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop