青春の風
信じられないことを言いだす、残念どころか最低な男。
だって……。
「月夜っ、そんなこと……」
「咲良ぁ、青春部のためだろ? 樹だって青春部のため、がんばってるからな」
「マジで? この人と帰れんの? えっ、それって毎日?」
食いつく1年男子。
「咲良、いいだろ? な?」
なんて、笑顔で言ったりするのは計算なんじゃない?
だってそんな笑顔で言うのはずるいよ……。
咲良先輩だって断れなくなるなるよ。
椅子に座る青空先輩が、まだ座っていない咲良先輩を伺う様に見上げ、その腕を軽く掴む。