青春の風
 
「だって、樹先輩だって咲良先輩だって、青春部のためにそうするんでしょ? だったら青空先輩だって少しはなにかしても……」



そういいかけた私に、青空先輩が口を開いた。



「そうだな、じゃあ琥太郎に行ってもらおう。あいつこそ何もしてないからな」



どうやら私は余計なことを言ってしまったらしい。



気にするなって、言われてたのに……。



樹先輩がそう言ったのに、余計なことを言ってしまった私に、残念で最低な男が笑顔で私を見た。



「俺は彩乃君を迎えに行くことにするよ」



どこまでも爽やかな笑顔でそんなことを言った、最低な男はよほど咲良先輩が嫌なのか……。



そして私はこの後、他人のことを考えている場合ではなかったと知る。

< 167 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop