青春の風
そんな二人の話しの内容がわかっていない私が、声を掛けようとした時、琥太郎先輩が驚くことを口にした。
「よかったな、樹マジでやめたがってたから、これで青春部やめられるな」
その言葉に足を止め、思わず二人の視界に入らないように階段を少し上がる。
どういうこと?
樹先輩が青春部をやめる?
「三人入ったらやめてもいいなんて無謀だと思ってたけど、意外に簡単だったな」
「そうでもねえよ、犠牲になってるだろ」
そう言った声はとても面倒そうで、冷たい声に聞こえた。
よくよく考えると、変な話だったのに……。
初めて会った時、私の前で裏の顔を見せていた樹先輩。