青春の風
面倒そうに冷たい視線で私を見ていた樹先輩。
青春のラブレターに釣られて来たとわかり、急に笑顔を見せた樹先輩。
それはようは、樹先輩は裏の顔が普通なわけで。
本当は裏の顔が表で、私たちに見せていた表の顔が裏だったってこと。
わざと笑顔を見せたりして、私たちを釣っていた樹先輩。
それは、青春部の部員を増やすため。
『明日も来いよ?』
笑顔でそう言った樹先輩。
『俺が無理だとか思って青春部やめるなよ?』
『よし、じゃあいい』
そんなことを言いながら、私の頭に手を置いた樹先輩。