青春の風
 
そこにはやはり2年2組と書かれていて。



同じクラスに同姓同名がいるとも考えにくく。



「早く言えよっ! 俺は飯の途中なんだよ」



しまいには怒りだす遠藤樹。



「いえ、違ったらいいんですけど、これあなたのじゃないかと……」



そう言って恐る恐る封筒を差し出す。



それを見つめる遠藤樹の表情がゆっくりと驚き、そして次の瞬間にはまさかの笑顔に変わった。



それはそれは見惚れるほどの綺麗な笑顔で。



完全に私の胸はその笑顔に射抜かれた。
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