青春の風
海の水平線を見つめながら、手を繋ぎ立ちつくす私達は広大な海の前では本当に小さいと知る。
「それを知っているのに、俺達はなにもしていない」
「……確かに」
「比較的平和なこの日本から、それを見ているだけだ。今はこの波の一滴と同じように世界のどこへでも行けるのに」
そう言った青空先輩を横から見上げる。
「でも、それは仕方ないんじゃないですか?」
「うん?」
「だって、私たちがなにかできるわけでもないですから」
そりゃあ私になにかできて、それを止めることが簡単にできるなら私だって、止めたいとも思う。