青春の風
「彩乃君……」
「いつか、そう出来るかもしれないじゃないですか。青空先輩が世界を変える人になれるかもしれないじゃないですか」
何故だかそう言わずにはいられない。
いつもどうかしてるほど残念でパワー溢れる青空先輩。
「青空先輩が言ってくれたんでしょ? 私には大きな夢が広がってるって。だったら同じじゃないですか? 青空先輩にだって無限の可能性があるってことです」
繋がれた手を強く握りそう言う私を、真っ直ぐに見て笑顔を見せてくれる。
「君は、やっぱりセンスがあるね」
そう言った青空先輩が、少し躊躇うように口を開く。
「一つ頼んでもいいかな?」