青春の風
 
誰かの鼓動を聞いて優しく抱き締められることが、こんなに幸せだとは知らなかったから。



たったそれだけでも、生きている価値はあるのだと知ったから。



誰もがこの幸せを知るべきなのだと思った。



すべての命に幸せを知る権利があるのだと。



ここで祈るしかできないとしても、私は祈ろう。



すべての人が幸せになれるように。



不可能だとわかっていても、そう思わなければいけない。



それを放棄した時点で、私達は幸せではなくなるのだから。



「女の子って柔らかいんだね」



「男の人ってしっかりしてるんですね」



「頑張ってみれば?」
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