青春の風
 
どう答えていいのかわからず、私は黙って聞くしかない。



「月夜はああ見えて、優しいところがあるの」



それは私も知っている。



残念なところもあるけれど、爽やかでどこか繊細な青空先輩。



海の向こうの人達のことも、本気で考えられる人。



「ふざけてるように見えても、月夜の言うことはいつも間違ってない」



そう、いつだって真っ直ぐな人。



私に夢を教えてくれた人。



「どうすればいいんだろうね?」



突然そんなふうに聞かれて、隣を見るとやはり水面に視線を落としたままの咲良先輩。
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