青春の風
だって、あの青空先輩だよ?
病気っていっても、そうたいしたことでもないんでしょ?
もうそろそろ処置室から出てくるんでしょ?
「でも、本当に楽しそうにしてたのよ? 新しく部員が入ったとか、それは楽しそうに……。いつも俺の我侭に付き合ってくれる、いいやつばかりだって……」
そう言って涙を浮かべるお母さんに、ジャージに着替えてここまで来た咲良先輩が震える声を出す。
「いつから……、いつから病気なんて」
「生まれた時からなの。本当は何度も助からないって言われてるんだけど、奇跡的に今日まで助かってきたの」
奇跡的って……。