青春の風
そう言ったお母さんの顔は、どこか諦めていて吹っ切れているような顔で、私たちはそれ以上なにも言えなかった。
私たちが考え付くことくらい、何度も考え話し合ってきたはずの青空先輩とお母さん。
「生まれた時から、毎晩覚悟してきたことなの。今日の夜を越えられたら、明日は生きていられるって……」
それは、いつか聞いた話し。
『夜は嫌いなんだ、だからこの名前も好きじゃない』
そんなことを言っていた青空先輩。
「毎日、月に祈ってた。あの子を産んだ時から毎日……」
「それで月夜って」
「そうよ、変でしょ? 青空月夜なんてバランスが悪いでしょ?」