青春の風
 
変だった。



最初から変だと思ってた。



でもそんなことだとは思いもしていなかった。



「でも変でもなんでもいいの。とにかく月に祈ってたから、月が守ってくれるようにってつけた名前なの。バランスよりもなによりもあの子の命が大切だったから」



そう言ったお母さんは、優しく笑う。



「でももう、覚悟はできてるのよ」



覚悟って……。



嘘でしょ?



「私のせいです……」



そう呟くのは咲良先輩。
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