青春の風
残念な人はなに一つ残念ではなかった。
私はいったい何を見て、そんなことを思っていたのだろう?
誰よりも元気に声を出し、誰よりも爽やかに笑い、誰よりも生きることを楽しもうとしていた人。
残念だったのは私。
それをどこかで馬鹿にして、恥ずかしいなんて思っていた私が、なによりも残念だった。
ついていたいという、咲良先輩を残し樹先輩と病院を後にする。
なんとか動いている青空先輩の心臓。
それを思うと、涙が溢れ出す。
病院から出て、夜の道を歩きながら耐えられない気持ちが押し寄せる。