青春の風
どこまでも軽く誘うつもりの樹先輩。
今まで病気のことを隠してきた青空先輩は、きっと同情だけはされたくなかったから。
みんながそれに気を使うようなことだけは、して欲しくなかっただろう青空先輩。
「青春のバーベキュー大会ですよ? 行きません?」
私もいつも通りに声を掛けると、青空先輩は少し辛そうにシーツに視線を落とした。
その姿に泣きそうになりながらも、涙を堪える。
だってここで泣いても始まらない。
「1号が考えたんだ。バーベキューなんて正直面倒だけど、まあ青春っぽくていいかと思って」
軽く言う樹先輩に視線をもう一度向ける。