青春の風
迎えた週末は初夏の風が気持ちいい、絶好のバーベキュー日和だった。
琥太郎先輩のお兄さんが車を出してくれて、皆で荷物を積み込み向かった先は海岸沿いのキャンプ場施設のある場所。
近くにある総合病院に連絡は入っているらしく、そこに挨拶に寄る。
「そうかぁ、バーベキューか。今日は気持ちいいだろうな」
連絡を受け取ってくれている、お医者さんがそう言って笑うと少し安心した。
「なにかあったら、ここに電話くれる? いつでも行けるようにしておくから」
差し出される紙を受け取って、病院を出る。
青空先輩はお父さんの車で後から来ることになっていた。
一緒に来ていた咲良先輩は、なんとなく静かだったけれどいつもと同じように見えた。