青春の風
「なんですかそれ? え? もしかして水着姿が見たいとかっ?」
少し笑って聞くと、慌てて否定する。
「違うよっ。彩乃君、俺はそんな男じゃないよ」
「そうですか? だってこの前も、私のこと抱きしめたりしたし」
さらに笑って言うと、青空先輩が視線を海から私に向ける。
「あれは……、彩乃君が可愛かったから、思わずね」
なんて悪戯に笑って見せるその人は、どこまでも爽やかに笑っていて。
「そうなんですかぁ? てっきり誰かの代わりかと思ってました」
軽くそう言った私から視線を逸らす。
そしてその先には3号を手伝って、炭を突いている咲良先輩の姿があった。