青春の風
「はあ? あんたなに言ってんだよ」
呆れて返すのは樹先輩。
マジで?
少々テンションが上がるのは、単純な私。
「いいじゃねえか、可愛い新入部員を我が部、一丸となって大事にしようじゃないかっ!」
だから、声が大きいって……。
文芸部の人達の視線がいよいよ気になるからっ。
視線が突き刺さってるよ?
しかも薄っすら笑われてるから。
「でも一人じゃ意味ないですよ」
どうやらこちらもまともな思考の持ち主、真面目そうな琥太郎先輩が声を出す。