青春の風
最初で最後になる友達としてではない二人の時間は、本当に短くて。
それを思うと、本当に泣けてきて。
誰もが黙ったまま、纏めて置いていた荷物を担ぐ。
ふと振り返ると、月明かりの下砂浜で立つ二人のシルエットが浮かんでいた。
その距離はとても近いけれど、決して重なることはなかった。
最後まで、青空先輩は自分の気持ちを打ち明けることはなかった。
それはあの人らしい、清々しく気持ちいいくらい真っ直ぐな、優しさだと私には感じられた。