青春の風
 
不思議に思い聞く私に、真面目そうな奈美ちゃんも頷く。



「私、ちょっと感動して……」



わかるよ、それ。



私もウルッときたもん。



「ああ、月夜さんが書いたんだよ。あの人あれ書いてる時、やけに真剣だった」



樹先輩のその言葉に、テーブルの上でコピー用紙を繋ぎ合わせて、何かをマジックで真剣に書いている青空先輩を見る。



「形からなんだよ、なんでも形から入る人なんだ」



呆れたようにそう言われて、なんだか納得していると、形からの人が書き終わったコピー用紙を掲げるようにして私たちに見せる。
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