青春の風
 
そもそも帰宅部志望だった私に、部活動などまったく興味もなく、さらには怪しげな青春部などすっかり忘れていた1週間後ことは起こった。



次の音楽の時間に備えて、音楽室へ移動した私。



名簿順に座った音楽室の机の中に、何気なく教科書を入れようとしてふと何かが入っていることに気づく。



隅の方に無造作に入るそれを、無意識に出してくる。



それはシンプルな封筒のようなもので、封がされていなかったのと、授業開始にはまだ少し時間があったのとで、軽い気持ちでそれを開けた。



中には封筒と同じくシンプルな白い紙。



さらに軽い気持ちで折りたたまれたそれを開くと、そこには綺麗な字で文章が綴られていた。
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