青春の風
 
――○――○――○――
 
突然、こんな手紙をもらっても迷惑だとわかっています。


それでも、どうしても伝えたくて、こうして手紙を書いています。


初めてあなたに会った日から、僕の人生は驚きの変化をとげました。


それまで僕の人生など、取るに足らないものだと思っていたのに、それがあなたに出会って変わりました。


季節の移り変わり、風の匂い、空の色、今までまったく意識していなかったそれらすべてを感じるようになったのです。


あなたの笑顔を見ると、春の桜の花を思い出し。


あなたの憂鬱な顔を見ると、梅雨の雨を思い出し。


あなたの爽やかな顔を見ると、夏の空を思い出し。


あなたの憂いを見ると、秋の落ち葉を思い出し。


あなたの疲れを見ると、冬の寂しさを思い出し。


僕のすべてはあなたの存在に、一喜一憂し生命の素晴らしさを教えてくれます。
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