青春の風
そんなことを言う青空先輩は、爽やかで普通に見えて。
「何にでもなれるよ。ゼロはないってことじゃない。これから広がるってことだ。1になり2になり3になり、無限の数字がそこから広がるんだよ」
無限の……。
「夢がないんじゃない、これから夢を広げていく。それが彩乃君には出来るってことだね。すごくいいんじゃないかな?」
声は大きくならなくていいの?
そんな爽やかに優しく言われたら、そんな気になるじゃん。
まるでこの少し夕日に赤くなる空のように私の夢は広がっていくみたいに思えるし。
なんだかそう思うと、皆より少しだけ私の方が夢があるみたいに思えて。