青春の風
「君はセンスがいいんだから、大きく考えればいい。小さくならずに大きく生きればいい」
「はい……」
なんだか素直に返事しちゃったけど。
だって残念な人が普通に見えるから。
しかもセンスって、あんたが勝手に思ってるだけで、そんなこと言われた事もないけど。
「私は、子供が好きだから保育園の先生になりたい」
背筋を伸ばしてそんなことをかっこよく言う咲良先輩は、きっと素敵な保母さんになれる。
「でも、結婚して専業主婦にもなりたい気もする」
少し恥ずかしそうな顔でそんなことを言う咲良先輩は、本当に綺麗で。
振り返ってその姿を見る琥太郎先輩の顔が、なんだかとても切なそうなのは……。