青春の風
 
そして増えるのは二酸化炭素の排出量。



私は昨日の帰りから何度、意味不明の溜息をついていることか……。



頭をポンポンと叩かれた時の、あの愛しむような微笑みを思い出しては胸がキュンとなり。



大人っぽく見えた表情を思い出しては、胸がじんわりと切なくなり。



私を釣るための表の笑顔を思い出しては、胸がドキドキし。



そして相手になどまったくされていない現実を考えると、胸が痛く重たくなる。



そのすべてのことに溜息をいちいち吐いているんだから、まあ恐ろしいほどの排出量なわけで。



自分がこんなに繊細な人間だということも新たに発見した。



私って繊細だったんだ……。



そんな思考を遮ってくるのは、もちろん一日で復活を遂げた残念な人。

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