青春の風
そのうち、本気で文芸さんたちが怒りだすんじゃない?
間借りスペースがなくなったら、どこで部活動するつもりなの?
しかも冷えピタがちょっと捲れてきてるけど、この残念な人に注意するのは私の仕事ではないしね。
「それ、外したら?」
青空先輩の隣に座る咲良先輩が、配られた紙から顔を上げて静かに言う。
「あ?」
まったく意識は違うところにある青空先輩。
「それよ、張り替えたら?」
視線を青空先輩の額に向けて、やはり静かに言う咲良先輩。
「てか、大丈夫なの? まだ治ってないなら、今日は部活休みにしても……」
「咲良、昨日も休んでるのに、今日まで休めるわけないだろっ!」