青春の風
えっー、マジで?
好きなの?
残念な人のこと好きなの?
驚きを隠せない私の後頭部に、軽く何かが当たる。
一瞬我に返って隣を見ると、私の頭を叩いた樹先輩が少し睨んでくる。
「顔に出すな」
それは本当に小さな声だったけど、私にはちゃんと聞こえて。
「……すみません」
一応謝ったけど、だって驚きなんだもんっ!
きっと不自然なほど驚いていた私に、樹先輩が注意したんだろうけど、驚いたんだもんっ!
しかも、初めて見た青空先輩の冷たい顔にも驚いたんだもんっ!