青春の風
 
えっー、マジで?



好きなの?



残念な人のこと好きなの?



驚きを隠せない私の後頭部に、軽く何かが当たる。



一瞬我に返って隣を見ると、私の頭を叩いた樹先輩が少し睨んでくる。



「顔に出すな」



それは本当に小さな声だったけど、私にはちゃんと聞こえて。



「……すみません」



一応謝ったけど、だって驚きなんだもんっ!



きっと不自然なほど驚いていた私に、樹先輩が注意したんだろうけど、驚いたんだもんっ!



しかも、初めて見た青空先輩の冷たい顔にも驚いたんだもんっ!
< 98 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop