ラブ☆バカリズム
ようこそ、万屋部へ
今日は学校の体育館で授業のバスケットの試合中。あまり走るのは好きじゃないけど、こうやってみんなで協力しながら競うスポーツは好きだったりする。
そしてあたしは今、ボールを持って相手側のゴールの目の前にいる。いつも可愛い笑顔をしてる女の子達も、今は怖い顔だ。
あたしだって負けてらんない。口を強く結んで、足と手に力を入れる。
「未緒! シュート!」
そう聞こえたと同時に、軽く膝を曲げて一気にゴール目掛けて身体全体を弾ませる。その瞬間に、誰かの腕が目の前を横切り、ボールが上から叩かれた。
やられた……!! そう感じた時にはすでに遅く、あたしの手からボールが滑り落ちていった。すぐに目線でボールを追いかけると、足元でバウンドしているのが見える。よし、すぐ下だ。
あたしは迷わず、ボールに向かって屈みながら腕を伸ばした。
あと少し……! そう思いながら指先がボールに掠れた時、いきなり肩を強く押される感覚がした。肩を中心にバランスが崩れて身体が床に倒れる。体育館中に倒れた音が大きく響いた。うわー、なんか恥ずかしい。