ラブ☆バカリズム


「別に対した事ないから、来る必要なかったのに」


 とりあえず絆創膏だけもらって体育館に戻ろうっと。


「えーと、絆創膏はー……と」


 絆創膏を探しながら保健室の奥に歩いて行く。棚は片付いている様に見えるけど、どこに何があるのかさっぱりわからない。先生どこ行っちゃったんだよ、まったく。


「ん?」


 部屋の奥に行くと大きい棚に隠れて、白いテーブルが置いてあった。それは別に問題ない。問題なのは、そこに突っ伏している白衣の人がいる事。寝息を立てて、気持ち良さそうに寝ている。この人が寺脇先生なのかな?

 絆創膏の場所を聞こうと思い、起こすために近くによってみた。この人が皆の憧れの先生か。せっかくだし、ちょっと観察してみようかな。

 先生の髪は短くさっぱりと切られていて、整ったキリっとした眉が皺を寄せている。イメージよりちょっと怖面かも。保健室の先生ぽくない、体育系を思わせる焼けた肌が白衣のせいでさらに目立つ。ナヨナヨしてんのかと思ってたから、意外だなァ。寝息に合わせて睫毛が揺れている。

 っと、ちょっと見すぎちゃった。まァ、皆が憧れるわけもわかる気がするな。残念ながらあたしは惚れないけどね。"絶対惚れる"っていう沙希の言葉を思い出して、少し笑った。

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