空にいる君へ


【実紅さんの意見は正論です。でも、もうわからん。どうしたらええか。】


…自分のことも自分でわからないの?
少し苛立つ実紅は、またコメントを投稿した。


【そんな、今すぐ答えを出そうとするからわからないんですよ。とりあえず、生きてみたらどうですか?落ち着いたら答えを出せばいいじゃないですか】


【でも、俺は生きてても意味ないし辛いだけ】

【そんなの今の時点でわからないし、生きる意味なんてほとんどの人がわからないんじゃないの?わからないからこそ、生きる意味を知るために生きてるんじゃないの?】

【でも…】

【さっきから、でも、でもって…本当は死ぬのに躊躇ってるんでしょ?躊躇うくらいなら生きてみればいいじゃない。あなたに頼れる人がいないのなら、私があなたの頼れる人になる。信じてくれなくても構わない。私はあなたの力になる】


投稿してみてはっとしたした。
思わず熱くなってしまった……力になるって、どうすればいいの?


【ありがとう。嬉しい。生きてみるわ】


そう返ってきた言葉に…実紅は思わず顔がほころんだ。
嘘かもしれない言葉だけれど、実紅は嘘だとは思えなかった。


でもどうすれば彼の力になれるのかわからず…考えた果てに実紅が出した答え。


【あの、どうすればあなたの力になれるのかわからなくて考えたんだけど…
私のケータイのサブアド、載せるから…何かあったらメールしてください。メアドなんか載せるのは馬鹿馬鹿しいと思ったんだけど、力になりたいから】


自分でも馬鹿馬鹿しいと思った。出逢い系じゃあるまいし、メアドを載せるなんて馬鹿げてる、と。


でも、何故かわからないが…彼からのメールを待ってる自分がいた。


< 2 / 6 >

この作品をシェア

pagetop