空にいる君へ


それからまもなくしてメールがきた。
何気ない会話…「今何してるん?」そんな言葉を見るたびに実紅の顔に笑顔が見れた。
しばらくメールしていると、彼から会おう、という誘いをもらった。



…会う?
思ってもみなかった言葉。
会うなんて…無理だよ。
何しろ相手は高2で3歳も違うし、
何されるかもわからない…今までメールだけの関係だっただけに、どうすればいいかもわからない。
誘いは断ったが…その後何回か誘われ、静岡に住む友達と一緒に彼に会いにいくことにした。
彼は静岡に住んでいるらしい。私の友達も静岡にいるし…私の住んでるところから静岡は遠いけど、私も会いたいし…何もされないよね。



そう思い…友達と待ち合わせ場所で彼を待った。



「……実紅…?」


背後から名前を呼ばれ、実紅は驚いて振り向いた。
…綺麗。
いじめられてるなんて思えない。陰気な人なのかと思っていたけれど、全く違う。
目鼻立ちはっきりしていて、すごくかっこいい。


「…あ、えっと実紅です…緒人くんですか…?」

「あ、そうやで、えっと…よろしくな」

「うん、よろしく…なんか想像と違ったな…」

「?想像よりも悪かったん?」

「ううん。反対だよ、想像よりもすごくかっこよかった」

「ほんま?ありがとう」


そう笑った緒人の顔は…いじめられてるなんて思えないほど輝いていた。
実紅は緒人に…惹かれていた。
緒人もまた美紅に…惹かれていたのだった。


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