空にいる君へ


それから3人で買い物をしたり映画を見たり…
同じ時間を過ごすうちに、実紅と緒人の距離は縮まっていく。
楽しい時間もあっという間にすぎて、実紅は帰る時間になってしまった。


「今日はほんま楽しかったわ、ありがとうな実紅」
「うん…あたしも、すごい楽しかった。ありがとね」
「じゃあ、帰ったらメールするから、気をつけて帰れよ」
「わかってる。じゃあね」


実紅は電車に乗り込んだ。
手を振る緒人に…笑顔で手を振り返す。


緒人はケータイを持っておらず、PCでしかメールができない。
PCをできる時間も限られているから…会話する時間は、
5時から6時半まで1時間半ほどしかない。
でもその1時間半が、実紅にとってはすごく幸せな時間だった。
きっと緒人も…そうだっただろう。




そしてあの日からしばらく経ち…ふたりの関係に変化が現れる。
あの日からメールのやりとりも多くなり、実紅の友達の由愛も、
いつの間にかメールに参加していたのだった。


由愛は、実紅と一緒に静岡に行った友達。
ギャルで…恋愛には積極的な由愛。
由愛は実紅が緒人を好きなことを知っていた。
そんな由愛もまた、緒人を好きになっていた。


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