空にいる君へ
由愛は緒人とのメールでこんなことを話していた。
【ねえ、緒人って実紅のこと好きでしょ?】
【好きやない。実紅は俺の友達やから】
【嘘つかないで、わかってるんだから素直になればいいじゃん】
【嘘なんかついてない。】
【じゃあ、由愛と付き合ってよ】
【無理や、ごめん。】
そんなやりとりが…ずっと続いていたという。
【無理っていうことは、実紅が好きだからなんでしょ?じゃあ、由愛の男友達に…実紅を襲わせようかなぁ?】
【実紅を傷つけたら俺は許さん】
【なんで?それって、好きだから?】
【大事な友達やからや】
【ふうん、じゃあいいけど。まあ、大事な実紅が襲われたらどうなるかなぁ?】
【やめいって、実紅を傷つけたら絶対許さんからな】
【はいはい】
それを知らなかった実紅は、由愛に誘われ…由愛の家へ行った。
由愛は静岡から実紅のいる県へ引っ越していたため、家は近かった。
「おじゃまします」
「実紅っ、待ってたよ!」
「ありがと!由愛と遊ぶの久しぶりだよね、楽しみだったんだ」
「由愛も!」
何も知らない実紅は…久しぶりの由愛との遊びに、無邪気に喜んでいた。