カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「あ、私、二宮桃香です。美咲とは職場の‥元同期です。」


「元同期」という言葉が虚しく響く。


恥ずかしくなった私はメニューに視線を落とした。


「なんで仕事まで辞めちゃうかなぁ。」


美咲が思い出したように、また顔を歪めた。


「とりあえずモスコミュールで。」


「あ、私も。」


カクテルの種類が多くて注文に迷っていた私は、ちゃっかり美咲に便乗した。
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