カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「桃香ちゃん、頭下げないでよ。」


「顔あげて?」と康介さんは慌てて私の肩に手を置いた。


でも、私は顔を上げることができなかった。


泣きたくもないのに溢れてくる涙を抑えるのに必死だったから‥。


康介さんのカクテルに出会わなかったら、私はまだ健司を思って一人でイジけていたかもしれない。


自分の夢なんて忘れたまま、毎日をダラダラと過ごしていたかもしれない。


何よりも‥康介さんがいなかったら、サトシくんにも翔太くんにも出会えなかった。


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