カクテル・ドリーム〜それぞれの道〜
「‥正直に言えよ。」


サトシくんが私を壁に押さえて言った。


「サトシくん!?やめてよ!」


私はサトシくんを力いっぱい押した。


少しの沈黙の後、私は口を開いた。


「‥康介さんに、“一緒にアメリカに行こう”って言われたの。」


サトシくんの顔を見ないで、私は俯いて言った。


「‥で、二宮は何て応えたんだ‥?」


「‥サトシくんには関係ないでしょ!?」


私は堪えられなくなって、急いでドアの鍵を開けた。


サトシくんが自分のことで大変なときに、“クリスマスに返事”という言葉を出すのが‥私には辛かった。
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