淡いコイゴコロ
5分くらい歩いたところで、悠は立ち止まった。

小さい頃によく一緒に遊んだ公園だ。悠はゆっくりあたしの手を離して、あたしに背を向けたまま黙り込んだ。


「悠、どうしたの?」
「俺ね、結衣。ずっとこのままでいいやって思ってたんだ」
「え?何が?」
「…………近くにいるのが当たり前だったから、離れてなんかいかないだろうから…ずっとこのままでも、って。」


そこまで言うと勢いよく振り返って、あたしを腕の中に閉じ込めた。

一瞬、何が起きたのか分からなくて戸惑って何も喋れなかった。

「結衣、俺ね、結衣のこと好き」

とても早口で声が小さくて、聞きづらいにもほどがあった。


だけど、あたしにはバッチリ届いたよ悠。

おそるおそる両手を悠の背中にまわして肩に顔を埋めた。


「あたしも好き。」

自然と、涙が出てきた
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