淡いコイゴコロ
私と悠は家が近くて、小学生のからずっと登下校は一緒だった。


だから慣れてるはずなのに、私の鼓動は毎回速い。

何度も一緒に歩いた道なのに、なぜか毎回新しい道みたいで。


毎日が特別みたいで。



喧嘩した日も一緒に帰った。

悠のお母さんが何故か
『結衣ちゃんと一緒に帰ってきなさい』なんて悠に言うから。


全然悠は私のこと女の子扱いしてくれないから、喧嘩した時に私は一人で帰ろうとした。


でも後ろから走ってくる足音が聞こえて、

振り向いたら悠だった。

『一緒に、帰るんだよ馬鹿』


お母さんに言われたから?
それとも女の子が一人で帰ると危ないと思ったから?


それとも…




昔の事を思い出しているともう私の家に着いていた。

「じゃあ、バイバイ」
「え、あ、バイバイ!」


ぽてぽて歩く悠の後ろ姿は、あの日よりは確実にかっこよくて悔しかった。


「悠ー!」
「んー?」
「…気を付けてね!」
「はいよー」


私に背を向けたまま
手を振る悠。

ああ、
好きだなぁ。
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