淡いコイゴコロ
やっぱり、なんかソワソワする。
いつも制服かTシャツにショーパン、とかジャージでしか悠と会ってないから。

いつも、おめかしなんて
してなかったから。

「あ、屋台見えてきたよ」

私の思考を遮るように悠が話しかけてきて、ようやく我にかえった。

「ほんとだ!」
気付けば人もどんどん増えてきていた。

私と悠は空腹をうめるために小走りで屋台に向かった。
ちょっと下駄の鼻緒が痛いけど。
仕方ないよね、悠がこんなに目輝かせてるんだから。

痛みくらい我慢できる。

そう一人で考えていると屋台が並んでいる所に着いた。

「結衣はりんごあめ好きだよね、あっあそこにあるけど…買うよね?」

「うんっ買う!」

───意外、だった

まだ二人とも小さい頃、私の家族と悠の家族でお祭りに行っていた。

私は絶対にりんごあめを買わないと気が済まなくって。

悠は、それを覚えていてくれたんだ…
私に関することなんて興味ないんだと思ってた。
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